人材育成にはコストがかかる。しかも育成した人材が確実に育つという保証はない。さらに、せっかく育てた人材が、引き抜かれるというリスクも存在する。引き抜かれる時は、残念ながら優秀な人材から引き抜かれていく。
しかし、そうではあっても企業は「人」を教育し、トレーニングし育てなければならない。
最近、企業は学校ではないので、人材の教育は必要ないと唱えるコンサルタントや書籍を目にする。「育つ人材は育てなくても育つし、育たない人材は育てても育たない」と言うのがその考え方の主旨だ。ある部分では、そうやってどこかで割り切って線を引かなければ経営が成り立たないのも事実だと思う。しかし実際には、育つか育たないか判断できるほど「きちんと」人材育成している企業は少ない。育つ人間と要領の良い人間は全く異なる事をよく認識したいものである。実際、人を大切にしない企業には、「モラル」がなく、問題も多い。社員が会社を信用していないので、予想もつかない事件が起こる。そうなってしまうと、間違いなく売り上げは下がる。先人が語った「企業は人なり」という言葉に、優秀な人材を失ってからではなく「今」気が付くべき言葉ではないだろうか。
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