営業活動の結果には、「勝ち」「負け」「中止」「延期」の4つのパターンがあります。契約を獲得し、競合に勝利した事例を水平展開することは、非常に重要です。成功事例は、営業担当者に勇気を与え、実践で活用できるノウハウを数多く含んでいるからです。
しかし、成功事例を水平展開するだけでは、不十分です。受注確度を向上させるためには、「負け」た原因の分析(敗因分析)が重要なのです。『なぜ顧客は当社の商品ではなく、競合の商品を選んだのか』『どの段階で勝敗が決したのか』『最終的な決め手は何なのか』といった点を整理し、分析すべきです。
敗因分析は、ほとんどの企業で定着しません。営業担当者は、自分の失敗を目立たせたくないと考るものです。営業マネジャーが、敗因分析と言いながら部下を追及し、精神的に追い込むだけで終わってしまうという場合も少なくありません。敗因分析は、組織の課題を抽出するために実施するもので、個人攻撃の材料にすべきではありません。競合と比較した自社の評価や、実態を把握し、改善策を策定するための取り組みなのです。
敗因分析を実施すると、多くの場合初期のアプローチの仕方や、ヒアリング不足、顧客接点の少なさ、キーマン把握不足など、条件以外の理由で「負ける」ケースが多いことに驚くはずです。顧客は「商品」や「価格」だけではなく、営業担当者の対応や、アフターフォローも含めた総合力で評価しているからです。価格以外の敗因を把握することができれば、同じミスを二度と繰り返さない強い組織を作り出すことができるはずです。
「なぜ競合他社が選ばれてしまったのか」を常に考える習慣をお持ちですか?
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