なぜ海外に進出するのでしょうか?そう聞かれて明確な答えを出せない企業は少なくありません。「国内は縮小市場だから」といった漠然とした答えや「商社からの紹介」「たまたま海外から引き合いがあった」といった成行き的な要因で海外進出を目指す企業が少ないくないからです。欧米企業と比べると、グローバル市場に対する考え方や事業としての位置づけは大きく異なります。欧米企業では、成長市場にはエース級の人材を投入し、3年、5年と言った中長期のスパンで戦略的に展開します。マーケティングを重視し、現地の言葉でコミュニケーションが取れる人材を数年かけて専門的に育成するケースも少なくありません。市場予測に基づいて、先行投資を恐れず成長市場における新規参入の取り組みを、成熟市場の事業展開と明確に区分けしてマネジメントを実施します。それに対して、日本企業の多くは、グローバル市場での事業展開やマネジメントを、国内市場と同じ視点で捉えがちです。案件ベースの対応や、短期的な視点を拭えない企業や、商社や代理店に任せきりで実際にはほとんど市場を把握していない企業など、海外展開といっても大きなバラツキがあります。まずは海外に進出する目的を明確にし、市場のセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング、プロダクトポートフォリオの見直しなど、マーケティングの強化が重要です。更に、実際の営業展開の手法や、販売チャネルの構築など戦略性を持って取り組まなければなりません。成行きで展開し、国内市場が回復すれば国内回帰するこ れまでの取り組みを、根本的に変革する必 要があります。グローバル市場で戦うための、戦略やマーケティング力の強化が急務なのです。
最近のコメント