ハインリッヒの法則は、1：29：300の法則とも言われる労働災害における経験則の1つです。１つの重大事故の背後には、29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するという考え方です。この法則は、やがてビジネスにおける失敗発生率として、クレーム対応などに応用されるようになります。1つのクレームには、クレームを言わずに離反する顧客が29人存在し、やがて離反する可能性がある小さな不満を持つ顧客は300人存在するという考え方です。経験則に基づいた比率は正確な発生率を算出するために用いるべきではありません。しかしながら、１つの小さなクレームであったとしても、その背後には重大な事業課題や営業課題が隠れていることを認識すべきです。クレームの対処は、早く深くが
重要です。対症療法に陥らないように十分注意しつつ、早急に手を打つことが、組織全体の益につながるのです。